<その3>

元気で大きい株の剪定

下葉が枯れあがってしまった株や、大きくなりすぎた株には、剪定が必要になります。それぞれやり方が違います。また冬越し用の剪定もあります。
アルボ・ピクタ交配種
温室の土の上に鉢から根を出して腰の高さまで伸びてしまったアルボ・ピクタ交配種。
シュート
真中の4本が1年目の茎、右2本が2年目の茎、左の太いのが今年伸びたシュート。

1.株をすく場合ふるい木質化したシュートから切っていきます。

剪定11年目の3本のシュ−トを切ります

2.高さを縮める場合は、葉の付け根に脇芽のある、適当な高さの所で切ります。

剪定21年目の残りを3枝残して切り落とします

3.2年目の2本のシュートも切り戻します切るところは節の上です。

剪定3−1 剪定3−2
ハサミが当たっているところに注意

4.健康な根をしていればそのまま準備した用土に植え付けます。

剪定4
随分、スッキリしましたね

5.株がまっすぐ立つように誘引します。出来あがりです。

剪定5

植え付けた後の管理(植え替え、株分け、剪定共通)

植え付けた後は、鉢の下から水を吸わせるようにして水を与えますが、その後は根が動き出すまで(約2週間)は与えません。しばらくは根が痛んでいるために水もあまり吸いませんから土も乾きません。ですからやりすぎは、逆効果になりますから気をつけましょう。

植え替えた後は10日くらいは日陰で管理します。温度は18℃くらいは欲しいですが、13度くらいまでは大丈夫です。

用土・肥料その他

●用土について

●木立の場合(水持ち、水捌けともに良いもの)
  • Ph調整済みピートモス5:バーミキュライト2:パーライト2:赤玉土1
  • 赤玉土4:完熟腐葉土3:堆肥1:バーミキュライト2
  • 赤玉土2:Ph調整済みピートモス2:パーライトまたはバーミキュライト1
  • Ex.4 市販の観葉植物の土や鉢花の土といって売られているもの。

と、言うわけで、実はあまり用土は選びません。よほど酸性やアルカリ性に傾いたものでない限り、問題は起こりません。極端に傾いている場合には微量要素(ミネラル)の欠乏症が問題になりますが、通常はPh6.4〜7.2位までならば元気に育ちます。

●根茎性、レックスの場合(特に水捌けが良いもの)
  • 中粒以上の赤玉土4:バーミキュライト3:Ph調整済ピートモス2:パーライト1
  • バーミキュライト5:Ph調整済ピートモス3:パーライト1:赤玉土1
  • 赤玉土3:桐生砂3:腐葉土4
  • 調整済ピートモス3:バーミキュライト3:パーライト3:赤玉土1
  • 市販の山野草の土として売られているもの。

とにかく水捌けが良いことが第一条件になります。根茎性の中には酸性の用土を嫌う物も有りますので、中性に近い用土が良いでしょう。鹿沼土などの酸性の強い土を使う場合は2割までにしておくのが無難です。用土の重い軽いは、さほど重要ではありません。入手しやすい材料で、自分の使い勝手の良いものを選べばよいでしょう。
自家製の用土を作るポイントとしては、必ず赤玉土を1割程度混ぜること。
これは特にピート主体の用土で起きやすい、微量要素の欠乏を軽減します。

●肥料・・・・・分量は正確に

元肥としてよくマグアンプが使われていますが、小粒のものを、指定された分量で、用土に満遍なく混ぜるようにします。最近では他にも硫黄コート肥料や、ロングなどの元肥に向くものがいろいろ出ていますので、入手しやすいものを使ってください。私は元肥はちょっと…、と言う方は入れなくても問題ないです。 週に1度液肥を与えるようにすればOKです。

ただし、冬の液肥は夏のものとはちょっと違います。夏はどんどん花を咲かせたいのでNPKが5−10−5などでも良かったのですが、冬は花より株の充実のために5−5−5とか10−10−10もしくは燐酸の少ない谷型の液肥を使います。冬場に燐酸の多い肥料を与えつづけると、寒さや短日に対する感受性が強くなって、葉が丸まったり、成長が鈍って休眠状態に入ってしまったりします。この時期にどれだけ株を作れるかによって、来年の花が決まってしまうと言っても良いくらいです。

●温度と湿度

植え替えをしたばかりの株は、10日くらいは日陰で管理します。湿度も通常よりは高めの方が良いです。この時期には株は植え替えのために疲れていますから、なるべく温度の変化も少ないところが良いでしょう。棚下でも良いです。その後は明るい場所に移動させてください。

秋から冬に掛けてのこの時期、ベゴニアを元気に育てるために必要な温度は最低が13℃以上必要です。これ以下でも4℃くらいまでは枯れはしませんが、成長が止まり、葉が落ちたり、根茎性のものなどは休眠したりします。でも逆にいうと、もし必要な温度が取れなければ休眠させればよいわけで、それについては後で詳しく説明します。

湿度については室内で、暖房の入った状態では過湿が必要になります。目標湿度は65%以上ですが、よく晴れた日などは、なかなか目標には届かないと思いますので、葉に霧を吹いてやったりして、株の周囲の湿度を上げるようにします。

●光

出来るなら、冬の間くらいは直射日光を当ててやりたいのですが、外に出すわけには行きませんから、出来るだけ明るいところに置くようにします。太陽高度も下がってきますから、陽が部屋の奥まで届くと思いますので、有効に活用しましょう。でも、テラリウムは窓辺は禁物です。気が付くと容器の中は高温になっていたりするので、気をつけましょう。温室の中でも11月から2月までの期間は、気温の上昇が防げれば、寒冷紗は必要ありません。

●水

案外忘れがちですが、冬場の水道水は冷たいです。暖かい温室で、冷たい水を掛けられたら、ベゴニアも風邪をひいてしまいます。一晩温室内に汲み置きにして、温度を上げてから与えましょう。液肥を与えるときの水も温かいほうが良いですね。ごみバケツの大きいのを置いておけば十分でしょう。液肥は与える直前に混ぜてください。作り置きをすると成分が変わったりします。

協力:山口英樹・裕美子さん
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